離婚は決めた!住宅ローンはどうなる!?、別れる前に確認を

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日本では3組のうち1組が離婚するそうで、大阪府は離婚率の高い都道府県の第3位とのことです。離婚は決して他人事ではありません

家を買うときは離婚なんて想像もつかないかもしれませんが、住宅ローンを滞納する根本的な原因は「離婚」というケースは非常に多いです。

夫婦のうちどちらが家を出たか、奥さんが連帯保証人かどうかにより、下表の4つのケースがあります。

 家を出たのは奥さん家を出たのは旦那さん
奥さんが連帯保証人ではないケース1ケース2
奥さんが連帯保証人であるケース3ケース4

ケース1:奥さん(連帯保証人ではない)が家を出ていき、旦那さんが残った場合

奥さんは住宅ローンがどうなろうと、関係ありません。夫婦で住んでいた家と住宅ローンに関わることはありません。

残された旦那さんはしばらくの間は住宅ローンを支払うでしょうが、ある日ふと疑問がわきます。

「こんな広い家に一人で住んで、なぜこんな高い住宅ローンを支払い続けてるんだろう? この家を売ってワンルームを借りて住めば良いのでは…?」

収入額にかかわらず、支払い意欲がなくなってしまうのはよくあるケースです。

ケース2:旦那さんが家を出ていき、奥さん(連帯保証人ではない)が残った場合

住宅ローンの支払いは旦那さんが続ける条件で離婚し、奥さんが住み続けるケースは時々あります。

これは危険です。奥さんが家に住む権利を、別れた旦那さんが命運を握っています。支払うと約束しても、支払えなくなってしまうことは良くあります。

住宅ローンを滞納すると、いずれローン打ち切り一括請求となり、裁判所の競売にかけられます。

しかも奥さんにはローンを滞納しているかどうか分かりません。ある日突然、裁判所の執行官が家を見に来るうえ、見ることを拒否することもできません。

残念ながら、離婚の時に夫婦間でどのような約束をしていようとも、ローンを借りた銀行や裁判所には関係のない話です。

ここまでの状況に至れば、必ず家は出て行かざるを得ません。

ケース3:奥さん(連帯保証人である)が家を出ていき、旦那さんが残った場合

これはよくあるケースです。離婚が成立し家も出ていき、綺麗さっぱり新しく生活を始めました…

ところが家に残った旦那さんが住宅ローンを滞納すると、連帯保証人である奥さんにも督促状が届きます。

離婚を理由に連帯保証人を外して欲しいと銀行に交渉しても、ほとんど認められることはありません。

これは融資審査を「債務者:〇〇太郎さん、連帯保証人:〇〇花子さん」が、それぞれ一個人として承認を受け、ローン契約をした以上、この組合せを変更できない原則があるからです。

ごくまれに連帯保証人を変更できた実例がありますので、一度銀行へ相談に行かれることはお勧めします。

奥さんから見ると、家の売却は知ったことではないかも知れませんが、連帯保証人の責務を逃れることはできません

いくらで家を売って返済にどの程度充てることができ、ローン残額がいくら残って、これからどうするかは銀行と交渉する必要があります。

ケース4:旦那さんが家を出ていき、奥さん(連帯保証人である)が残った場合

旦那さんのローンの支払いが滞ると、奥さんへ督促が来ますので、支払状況を知ることが可能です。

連帯保証人の支払い義務は債務者と同等ですから、旦那さんの代わりに支払うことができ、ローンを正常にすることが可能です。

法律的には、旦那さんの代わりに支払ったお金を、旦那さんへ請求する権利もあります。

しかし現実的には支払い続けることができる奥さんはごく少数です。収入が追いつかないことが一般的です。

長い目で見て落ち着いた生活をするには、ローン返済額より安い家賃の賃貸物件や実家へ引っ越す方がメリットもあります。

その他のケース

上の記事にでている、奥さんの親が所有している土地に、夫婦で家を建てたケース。

奥さんが連帯保証人になっているかどうかにかかわらず、離婚・別居となると後処理は大変です。

処理を間違えると、親名義の土地も全て失うことになりかねません。

終わりに

離婚・別居の後も住宅ローンを20~30年滞りなく支払いました、というケースのほうが少ないかもしれません。

収入が減少するケースが多いこと、そもそも支払いに対する意欲が減退してしまうことが大きな要因です。

これらのケースを解決する方法の一つが「任意売却」です。

裁判所の競売で家を手放すと、中古相場より安く(7~8割程度)売ることになり、結果、ローン残額はたくさん残る事になります。

家を売ってローンが全て無くなればよいですが、ローンが残る場合は金融機関と話し合いが必要になり、これも慣れていないと大変です。

売却する場合は家の名義(所有権)も問題になります。奥さんが連帯保証人になっている場合は夫婦共有名義となっていることも多く、売却は共同作業となります。

これらも含めて、もしもこのような事態になったら、専門家へ相談することをお勧めします。