分譲マンションでは管理費+修繕積立金の毎月負担は避けられません。
新築分譲時の修繕積立金は低く抑えられているのが実情です。
そのため、築10年以上、特に1回目の大規模修繕工事が終わった頃から、修繕積立金の値上げが必須となるマンションが多いのです。
とあるマンションでは管理費+修繕積立金が毎月1万円程度だったものを、一気に3万円へ値上げしました。
このマンションにお住みの方は、毎月の負担に耐え切れず、住宅ローンの返済も滞りがちになり、遂に売却することになりました。
適正な修繕積立金の金額とは
前述のマンションでは月2万円負担額が増えました
これを住宅ローンの返済額に換算すると、600万円程度の借り入れ額に相当します(金利1%,30年返済で試算)。
管理費・修繕積立金の金額は、中古物件の売却時に影響が出ます。
中古マンションを購入する方は、不動産屋に住宅ローン返済額とともに、管理費・修繕積立金・駐車場代・各種保険料・固定資産税等を試算したものを見せてもらい、購入を検討するのです。
平成28年7月度の中古マンション(ファミリータイプ)の成約価格は、大阪府全体で2,049万円、大阪市内中心6区 ※ で3,179万円ですから、毎月数万円の負担増でも買手から見れば大きくなるのです。
周辺マンションと比べて高い管理費・修繕積立金の設定は、いざ売るときにマイナスとなり、販売価格や売れ行きに影響が出ます。
※ 大阪市内中心6区(中央・北・西・福島・天王寺・浪速)
不動産の資産価値とは何でしょう
管理会社が大規模修繕工事を提案する際、マンションの資産価値の維持・向上を謳います。
資産価値を端的に表すのは、売却時の利益(キャピタルゲイン)と、賃貸時の賃料収入(インカムゲイン)です。
売買価格・賃料設定ともに価格査定に最も影響するのは築年数と立地であり、それに利便性や戸別の状況で加減されます。
販売価格が下がればキャピタルゲインは下がります。
管理費・修繕積立金が多ければ、正味の賃料収入(インカムゲイン)は下がります。
自分が住んでいるマンションの外壁がひび割れていたり、配管が漏水したりすることは、居住性・安全性において望ましくありません。
だからといって、過度な大規模修繕の工事費負担や、高額な管理費・修繕積立金の設定は、不動産の資産価値を下げることにもなりかねません。
大規模修繕工事と、管理費・修繕積立金の価格設定は、管理組合総会で決定されます。
他人任せにせず、積極的に参加し考えましょう。
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— 住宅ローン返済アドバイザー (@hl_consulting) 2016年7月21日